「アリスとテレスのまぼろし工場」レビュー:病者の閉塞感を打ち破る方法とは?

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こんにちは!
谺(こだま)こと、児玉朋己です。

お元気してますか?
私は今日は自宅の草刈りをしました。

ちょっと疲れましたが満足しています。

本日は、
ぜひあなたに観てほしい映画がありましたので、
そのレビューをお届けしたいと思います。

精神の病気持ちの人が、
大きく共感できる作品だと思ったのです。

映画の製作者は、
特に意図してはいないと思うのですが(笑)

ではでは~

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アリスとテレスのまぼろし工場

数週間前、
私には珍しく
アニメ映画を劇場に観に行きました。

なんと2回目でした。

「アリスとテレスのまぼろし工場」

です。

1回目を観たのは、
「バービー」
を観に行ったとき流れた予告編に、
「アリスとテレスのまぼろし工場」
があり、
なんとなく、
「これ観てみようかな」
と思ったのがきっかけです。

その予告編以外には、
何の予備知識もなく観たんですが、
すごく良かったです。

けっこう、
かなり、
いやたいへん、
感動しました。

それで2回も観てしまったのです。

それでその後、
YouTube上にあるレビューをいくつも見て、
感動を繰り返し噛み締めていました。

劇中歌の
川村かおり「神様が降りてくる夜」
について語ったものも複数あり、
音楽好きの私としては、
「なるほどな。そうだったんだ!」
と思うものがありました。

私にドンピシャだったレビュー動画

そういったレビューの中に、
私がこのアニメの何に感動したのかを気づかせてくれたものがありました。

ので、
紹介したいと思います。

酷いネタバレはありません。
こちらです。

レビュアーのゆたかさんが語っていることに、
うんうん!
そうそう!!
といちいち頷いてしまいました。

  • この映画は観れば好きになる。
  • この映画は暗く見えるけれども、快活な気持ちになるラストである。
  • できてなかったことをできるようにしたい、いまからするんだという未来への後押しをしてくれる。

描かれる閉塞感

この映画に描かれている閉塞感は、
いろんなレビューで語られているように、
思春期特有のものだったり、
バブル崩壊以降の日本社会だったり、
を象徴していると思います。

そう理解できることはわかるし、
私自身の中学生・高校生の頃を思い返せば、
自分もああいうことあったな、
ああいうことされたな、
と懐かしく感じます。

ただ、
このアニメによって「いまの私」が疼(うず)いたことはそれとは違っていて、
多くのレビューで語られていない何かだったんです。

自分ではよくわからなかったその何かを、
このレビューは気づかせてくれました。

この閉塞感は病気持ちのものでもある

それは、
この閉塞感は、
精神疾患持ち、
精神障害者の閉塞感でもある、
ということでした。

このアニメで表現されている閉塞感は、
病気の私の閉塞感でもあったのです。

閉塞感の中で何をするのか?

レビュアーのゆたかさんは言います。

  • まぼろしの世界だろうと現実の世界だろうと関係ない、私たちは希望する変化を選択できる。
  • やりたいことをやらないでいる状態から、やりたいことをやろうとする状態へと変化ができる。
  • イラストレーターになりたい主人公正宗は、まぼろしの世界の絶望的な状況の中で、それでもイラストレーターになると決めた。
  • この作品は、その変化をこそ描いたものである。

私の場合(病者の閉塞感を打ち破る方法)

私自身、
闘病の過程では先の見えない閉塞感に窒息しそうなこともありました。

そのなかで、
「できない自分にできること」
をとにかくやりました。

それしかできないから。

拙著にも書きましたが、
自己不信感・自己否定感と夢・希望が対立したら、
とにかくその都度、
夢・希望を選び続けたのです。

未来への展望なんてありません。
この先どうなるかなんて考えられません。

でも、
とにかく必死に夢・希望の方を選択し続けました。

いま振り返ると、
それが日々の生活に余裕・余地を与え、
潤いをもたらせていたとわかるのです。

その必死だった私は、
このアニメのなかでもがいている主人公・その友人たちと同じだったのです。

そういうわけで、
精神の病気持ちの人に、
ぜひこのアニメを観てほしいと思うのです。

病気持ちがこの作品を観るにあたっての問題

ただ、
いくつか問題があります。

問題①:観る元気がない

まず、
統合失調症の陰性症状やうつ状態、
うつ病のうつ状態にいる人には、
とても観る元気がないだろうということです。

ですので、
そういう方は、
数年後に症状が改善してからで構わないので観てほしいです。

問題②:設定がわかりにくい

また、
比較的元気になった統合失調症の方にとっては、
作品の世界観の設定がわかりにくいかもしれないという問題があります。

多くのレビューで言われているように、
一般の人でも設定がわかりにくいところがあります。

病気持ちの人なら、
なおさらわかりにくいと思います。

そこでなんですが、
ネタバレのレビューをたくさん観ておいてから映画を観るのが良いのではと思います。

設定と、
だいたいのストーリーを把握しておけば、
映画を観ながら迷子になる可能性が低くなると思います。

この「アリスとテレスのまぼろし工場」は、
設定とストーリーがわかったらつまらなくなる作品ではありません。

アニメの画力というか、
レビュアーのゆたかさんも言及している「実写のような」描写を十分堪能できると思います。

問題③:トラウマを刺激されるかもしれない

さらに次の問題が、
若い主人公たちの姿を見て、
現状のダメダメな自分を否定したり、
古傷のカサブタをかじり取ってしまう恐れがあるということです。

共感して、
あるいは共感できなくて、
です。

主人公の
「爆発しそうだ」
というセリフに、

「いまの自分にはとうていあり得ない」

と思って落胆し、
自分を責めてしまうかもしれません。

あるいは、
病気の原因にもなった自分の経験が思い出されてトリガーとなり、
悲しみが込み上げるかもしれません。

まぁ、
これはどんな作品を観てもあり得ることだと思って、
その湧き上がる感情を味わい尽くそうと開き直るしかないかと思います。

問題④:劇場公開は終了

最後の問題が、
この作品はこの令和5年10月中旬までで劇場公開がほぼ終了だということです。

ホントに劇場でこそ観るべきアニメ映画だと思うのですが、
いまからではそれは叶いそうにありません。

どこで配信されることになるのか、
私には分かりませんが、
アマプラ、
ネットフリックス、
等で観るか、
DVDで観ることになるでしょう。

それでも観る価値のある作品だと思います。

もっと早くゆたかさんのレビューに出会いたかった(まとめ)

紹介したゆたかさんのレビューを見つけて、
自分なりの発見をしたのが2,3日前です。

ゆたかさんのレビューを見たから、
私のレビューを書こうと思えました。

もっと早くゆたかさんのレビューに出会っていれば、
と悔やまれます。

でも今からできることを、
と思って私のレビューを書きました。

この映画は、
残念ながら入場者数が低迷しているようです。

なんとか、
配信やDVDで観る人が増えれば良いなと思います。

ぜひ観てください!

生命って何だろう? 生きるって何だろう?
谺(こだま)

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ABOUT US
谺(こだま)
谺(こだま)こと、児玉朋己といいます。 歌うピア・サポーターをしています。 静岡県藤枝市にある自立生活センター「おのころ島」が運営している地域活動支援センター「りんりん」の施設長です。 精神障害を持つ方へ同じ当事者としてピアカウンセリングを行うほか、シンガー・ソングライターとして音楽活動をしています。